水景デザイナー 東城 久幸
アクア環境システムＴＯＪＯ 代表取締役
アクアリウム界のパイオニアとして知られる。
業界が主催する各種アクアリウム・コンテストに毎回上位入選し、テレビ番組、ＣＭ、映画など多数にレイアウト水槽提供。
- 第21回日本観賞魚フェア全体総合優勝
- NHK総合テレビ生出演、テレビ出演、新聞掲載など多数
- アクアリウムセラピーDVD制作販売プロデュース
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編集部が行く！ 水景デザイナー・東城久幸氏に聞いてきました！
みずものコム編集部レポート
去る4月に東京・晴海「晴海アイランド トリトンスクエア」で開催された「ThanksEarth 2nd 海の感謝祭」。
そのメイン企画「海の恵み水族館」をプロデュースされたアクア環境システムTOJO・東城久幸氏に、水槽展示の感想から観賞魚業界の未来(？)を聞いてきました。
第１回目の今回は、「海の恵み水族館」出展のいきさつです。
都会の高層ビル×海水魚水槽のコラボレーション
今回のお話をいただいたのが、このイベントをプロデュースしている会社の社長さんからだったんです。東京にオフィスがあるのですが本社が八丈島にあり、八丈島の水中カメラマンの写真の展示や八丈島の物産を直売して「海の感謝祭」を開催するとのことでした。イベントが海のイメージなので海水魚水槽を展示したかったそうで、私に「できますか？」と相談してきたんです。「できることはできますよ」というふうに話しました。
ただイベントって疲れるだけで得るものが何もないから、初めはあまり興味がなかったんです。でも話を聞いていくうちに、晴海トリトンスクエアという場所がすごく人通りがあるだとか、TOJOのブースも出展させていただけるだとかで、宣伝のつもりだったら何かしらかの意義があるだろうなと思い、やろうかなと思い始めました。さらに話を聞いていき、この晴海トリトンスクエアというサラリーマンの行き来する場所に、私がミニだとしても水族館を作るっていうのはどういう意味なのかなって考えてみたんです。そうしたら結局、晴海トリトンスクエアは大都会の象徴みたいな場所なわけなんですよね。大きなビルが建ち並んでいる真ん中に、通路的にロビーがある。それで、晴海トリトンスクエアと水族館をどういう形でコラボさせようかと考えたんです。そうして思いついたのが、都会で生活しているかたわらに魚も自然に生活しているような感覚で、魚を「見る」のではなくて「視野に入れる」「共感できる」形がいいかな、と。自分たちも一所懸命働いているけど、魚たちも一所懸命生きているという、空気中と水中だとしても同じ空間にいるんだっていうことをここでは具現化したかったんです。
見る人、状況によって気持ちが変化する水槽作りがテーマ
それでTOJOのどの水槽が使えるのかなっていうのを考えました。このメインの水槽は円になっているんです。その水槽のど真ん中にあるのが「クラゲタワー」。クラゲって珍しいし、晴海トリトンスクエアの周りってタワービルばかりだから、ちょっとタワーがあるといいかなと思い作ってみました。クラゲタワーを真ん中に置いて、それを中心にレイアウトの色合いを変えたり、入れる魚の組み合わせを変えたりして、なんとなく見るだけでも色合いを楽しむだけでも面白いなっていう水槽で、よくよく見ればいろんな魚がいたりするのに気づいてもらえる。もっとよく見ればレイアウトも綺麗だったりサンゴも楽しめたりする、そういう水槽にしてみたんです。だからターゲットは、すべての人。子供からお年寄りからサラリーマンから。でも、みんなの水槽の見え方が違うんですよね。具体的な例をあげると、仕事の帰りに急いで帰る人が何も考えないでも視野に入るだけで「あ、雰囲気いいな」って、どこかいつもの帰り道とは違うんじゃないかなっていうような景色ですね。
ほかには、ここの飲食店でお酒を飲んでほろ酔い気分で帰る人が見る風景も、なんとなくですがいつもとは違うんじゃないかなって。普段このロビーを通行する人の気持ちに変化を起こす水槽を表現しようと思ったんです。こういうものっていろんな人にすごく喜んでもらえるから、そういうことが大事なんじゃないかな。じつはここのビルにあるオフィスにも、以前から90cmの海水魚水槽をレンタルしてもらっているんです。都会のビルの中で自然のものが間近に存在するのが当たり前みたいになればいいなと思うんですよね。水景デザイナー 東城 久幸
2009年06月01日
みずものコム編集部 つよし
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