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ナマズの特徴は?と聞かれたら、皆さんはなんと答えますか。
平べったい顔、つぶらな瞳、ズルンと長いからだ…などなどいくつかある中で、まず思い当たるのが「長い口ヒゲ」ではないでしょうか。
あの太くて固そうな口ヒゲこそが、ナマズに貫禄を感じる理由のひとつかもしれません。
貫禄といえば、人間の男性でも、同じように細長い口ヒゲを持っている人がいますよね。
めったに見かけることはありませんが、時代劇で見たことがあるという方も多いのでは。
あのような口ヒゲのことを、「鯰髭(ナマズヒゲ)」と言います。
明治時代には、鯰髭をたくわえていた官吏(役人)が多く、彼らをちょっぴり小バカにして「鯰髭」と呼ぶことがあったそうです。あだ名のようなものだったのでしょうね。
ヒゲのある男性にはどことなく貫禄を感じるものですが、「鯰髭」と呼ばれた当時の官吏たちは、残念ながら重んじられていなかった様子がうかがえます。
さて、「鯰髭」の由来となった、ナマズの長い口ヒゲ。
この長い口ヒゲは、全てのナマズが共通で持っています。
もしナマズっぽい生き物と出会ったとしても(何者?)、長い口ヒゲがなければ別の生き物ということで。
ナマズのヒゲは、何本も生えているわけではありません。
口の上に一対、あごの下に一対、合計4本という、いたってシンプルな生え方をしています。
ナマズの子どもにだって、ちゃんと生えているんですよ。
しかも、子ナマズの場合は、下あごにもう一対。
つまり、合計6本生えているのです。
ヒゲの数からすると、子ナマズのほうが口元には貫禄ありとも言えそうですね。
そんな子ナマズのヒゲですが、大人になるにつれ、いつの間にかなくなります。
そして、単なるお飾りではないのがナマズのヒゲ。
暗闇でレーダーとして周囲を探るという役割の他、味覚器官としてもたいへん発達しています。
味覚器官?と思われた方へ。
ナマズは泥の中に住み、泥の中でエサを探します。
エサを探すときに使われるのが、ヒゲです。
私たち人間は、舌に1万個点在する「味蕾(みらい)」という器官で味覚を感じます。
ですが、水生生物の中には、ナマズのようにからだの表面に味覚器官を持っているものも存在します。
ナマズの場合は、ヒゲだけではなく全身に味蕾が点在します。
その数なんと17万個!
人間の17倍の数の味蕾を持っているなんて、もしかしたらわたし達より味覚が発達していたりして?
水流と共に「味」が運ばれてくる。
つまり、エサである小魚などが近づいて来ることが、ヒゲやからだ全体でわかる。
おいしそうな食べ物のにおいが漂ってくれば、わたし達人間は鼻で気づきます。
だけどナマズの場合は、気づくだけではなく味わうこともできてしまう。
ナマズって、つくづく興味深いからだを持っていますよね。
水中や泥の中で生きる彼らにとって、生きていくために獲得した機能と言えるでしょう。
今日は、ナマズのヒゲが、人間にとっての舌だということがおわかりいただけたことと思います。
ヒゲやからだでいつも何かしらの味を感じながら生きているナマズ。
それが好物でもそうでなくても。
食べることが好きなわたしは、ナマズのヒゲがちょっとうらやましいなぁと思ってしまいました。皆さんはどのように感じたでしょうか?
text/natsumi
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東南アジアを中心に生息する海水魚です。幼魚期は黄色と青の鮮やかな色をしていますが、成長と共に黒っぽい色に変化していきます。
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