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クラゲブームはこうして始まった!仕掛け人にインタビュー【後編】
「クラゲブームはこうして始まった!仕掛け人にインタビュー【前編】」では、それまで見向きもされなかったクラゲが、鑑賞クラゲとして世間に知られるようになった経緯を、矢崎 洋さんにお話しいただきました。
世間が「クラゲの癒し」に魅了されるはずという直感こそが、ブームを巻き起こしたきっかけでした。
さて、後半では、予想以上に注目されたけれど思ったほど売り上げには結びつかなかった理由や、その事実をポジティブに捉えた矢崎さんの思いと行動を探っていきたいと思います!
natsumi:東急ハンズや日経新聞という発信力のある企業だったこともあるにしても、やはりマスメディアの力ってすごいですね。鑑賞クラゲは、またたく間に日本だけではなく世界からも注目されるようになったのですね。
矢崎:ジワジワと認知度が高まっていったことは事実だし、お問い合わせもかなりいただきました。ですが、自宅でクラゲを飼う人が爆発的に増えたわけではありませんでした。
理由は飼育費用です。クラゲを自宅で飼育するとなると、お金がかかるんですよ。当時、クラゲ一匹が4,000〜5,000円。また、養殖クラゲは体が繊細なので専用の水槽が必要です。人工海水やその他の備品をそろえると、当時で6〜7万円かかりました。
ただ、その頃はバブルがはじけた後だったのですが、水槽メーカーとしては業界最大手だったこともあり景気は良かった。
そこで、私は考えをシフトしました。クラゲの売り上げはそれほど見込めないだろう、だけど話題性があり、今後も注目を集めるに違いないと確信したのです。
そこで、クラゲの売り上げは二の次で、会社のPR用にクラゲを活用しようと考えました。クラゲの水槽を展示したいというテレビ番組があれば、夜中であろうと構わず設置しに行くなど、積極的にマスメディアへ露出したのです。
また、クラゲがきっかけで当時人気があった千寿製薬の人工海水を一手に扱うことができ、会社の利益にも少しは貢献できたと思います。
natsumi:なるほど。鑑賞クラゲをPRすることで、自社の水槽も注目される。営業マンとしてのセンスですね。水族館にも営業をしたのですか?
矢崎:いえいえ、水族館にはしていません。私がクラゲ販売を始めた頃、クラゲを展示していたのは、たぶん三重県 鳥羽水族館、神奈川県 江ノ島水族館くらいだったと思います。
その後のマスコミの報道が引き金となり、日本の水族館にクラゲの展示が広がったと記憶しています。
natsumi:最後に教えてください。矢崎さんご自身は、クラゲブームをどう感じていましたか?
矢崎:鑑賞クラゲの売れ行きはそれほど伸びませんでしたが、東急ハンズでの販売からわずか1年ほどで、会社や熱帯魚の世界が世間に注目されるようになった。会社の上層部も、クラゲの経済効果は数億円と試算していました。
結果として、世間をちょっとざわつかせることができたことが、うれしかったですね(笑)。それともうひとつ、うれしかったことがありました。
新宿アルタ(当時の名称)やその他の商業施設でクラゲを展示するために、取引先が、当時はまだ珍しかった「LEDライト」を取り付けたきれいな水槽を作ってくれたんですよ。
今の水族館では当たり前に見かけますが、LEDによる演出を初めて見たときは、幻想的なクラゲの姿に衝撃を受けましてね。
どうやったら鑑賞クラゲを世に広められるか、思考錯誤してくれたことがうれしかったです。いわば「鑑賞クラゲ普及チーム」のようなものでしたね。
そして、これなら確実にクラゲ人気は高まって行くだろうなと予測し、その通りになりました。
目立たなかったクラゲが人気者になっていく姿を間近で見られたことは、子どもの成長を見守る親の心境でしたね。
natsumi:わたしは水族館が大好きで、特にクラゲは欠かせません。そんな「魅せるクラゲ」の時代を築いたのは、矢崎さんだったということを理解しました。矢崎さん、貴重なお話をありがとうございました!
矢崎:私こそ、思い出話を聞いていただき、ありがとうございました。
今はクラゲビジネスには関わっていませんが、近々、クラゲに会いに久しぶりに水族館へ行ってみようと思います(笑)。
【インタビューを終えて】
水族館へ行けば当たり前のようにわたし達を癒してくれるクラゲ。だけどそれは、数十年前、クラゲの魅力に真っ先に気づいた矢崎さんやお仲間の「行動」があったからこそ。
直感力に優れ、鋭い視点をお持ちの矢崎さん。ゆったりおっとり話す姿は、どことなくクラゲの自由な姿と重なる部分も?
クラゲの癒しパワーを世の中に広めてくださり、ありがとうございました!
【矢崎 洋さんの略歴】
クラゲブームだけではなく、池袋の東急ハンズに現在の「猫カフェ」の先駆け的存在「ねこぶくろ」をスタートさせたり、家庭用ビールサーバーを爆発的に流行らせるといった実績もある矢崎さん。現在、矢崎さんは、株式会社カルチャービジョンの代表取締役として、人とペットの健康を考えた商品を取り扱っているとのこと。2019年には一般社団法人 生きた証 寄付・遺贈基金を立ち上げ、豊かな人生を送るためのヒントをテーマに毎月セミナーを運営。2020年からは宇宙に関するプロフェッショナルが講師を務めるセミナー「宇宙大学」も運営。
矢崎さんとお話してみたい方はこちら!
https://space-university.peatix.com/
text/natsumi
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正面から見ると笑っているように見えることからスマイリーブレニーとも呼ばれているイシガキカエルウオ。カエルウオの仲間では小型で大きくならない種類ですが、コケもよく食べます。
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