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いつの間にか大人になる、カミクラゲの謎
前回登場したカツオノエボシは、ヒドロ虫が複数集まって群体を形成しているとご紹介しました。
他にも、ヒドロ虫タイプのクラゲがいます。それは日本固有種の「カミクラゲ」です。限りなく透明に近い傘に、髪の毛のような多数の触手が特徴のクラゲです。
日本の広い範囲に生息しているのに、カミクラゲにはいまだに解明されていない謎があります。その謎とは?カミクラゲの生態と共に見ていきましょう。
刺胞動物門 ヒドロ虫綱 花クラゲ目 キタカミクラゲ科
【学名】Spirocodon saltator
【和名】カミクラゲ(髪水母)
学名の「saltator」は、ラテン語で「踊る」ことを意味する「saltat」に由来します。これは、カミクラゲの触手の付け根にある複数の眼点が、光の明暗に反応して飛んだり跳ねたりする姿が踊って見えるから。
冬から春にかけて、主に青森から九州の太平洋岸の内湾で、踊るカミクラゲを見ることができます。
また、カミクラゲは、日本で最初に新種として発表されたヒドロ虫類(ヒドロクラゲ)といわれてます。ヒドロ虫類としては大ぶりな体形のカミクラゲ。釣鐘状の傘は高さが10?、直径は6cm、そして白い触手が華やかに舞うので、海中でもしっかり目立ちます。
体内の循環に必要な放射管は、4本持っていて、左右から樹の枝のような盲管(一方の端が閉じている管)をたくさん出しています。
カミクラゲは、他のクラゲ同様、照明の色により幻想的な姿を披露してくれますが、実はもともと美しい色合いを持っています。
からだ全体は薄いグリーン、触手を縁どる眼点はレッド、放射管・口柄・生殖腺などはブルー、盲管はブラウン。クラゲ界の美人さんと言えそうな鮮やかさですね。
美しい容姿に相反して、カメムシのような体臭がする点はちょっぴり残念。ただ、人を刺したという報告はほとんどなく、毒性も強くはありません。人間にとって脅威ではないということで、においの件は目をつぶりましょう。
カミクラゲの謎。それは、赤ちゃんから一足飛びで大人になることです。正確には、一足飛びに見えるのはわたし達人間だけで、カミクラゲからすれば順を追って成長しているとは思うのですが。
謎のポイントは、赤ちゃんの次の段階「ポリプ」にあります。クラゲは、生まれてから大人になるまで、体も呼び名も変化する生き物。だから、カミクラゲもポリプを通過して大人になるはず。ですが、成長過程であるポリプの姿を人目にさらすことがないまま、成体であるクラゲになってしまうのです。
あの鶴岡市立加茂水族館でさえ、「受精卵は採れるのだが、ポリプに変態させることが非常に困難で未だ繁殖に成功した人はいない。」と言い切っているのがカミクラゲなのです。
赤ちゃんから急に大人になるなんて、もしも人間の親だったらかなり慌ててしまいますよね。そんな大それたことを涼しい顔をしてやってのけるカミクラゲ。
いつの日か、成長シーンを人間に披露してくれる日は来るのでしょうか。そっと見守って行きましょう。
text/natsumi
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独特の大きな腹ビレで砂の上を歩くように動いたり、左右に揺れながら泳ぐ独特の泳ぎ方がユニークなコウワンテグリ。主に東南アジアに生息するネズッポの仲間で褐色の大理石模様をしており、雄は第一背びれが長い特徴があります。
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