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ノーベル賞受賞の光るクラゲ
前回、不老不死のクラゲをご紹介しました。
死なないだけにとどまらず、危険を感じると若返り、さらに大量のクローンも生み出すベニクラゲは、知れば知るほど驚くばかり。
ですが、クラゲの世界には、不老不死とは違う形のツワモノも存在します。「光るクラゲ」です。
光を当てると発光するクラゲは、水族館でご覧になったことがある方も多いと思います。だから、「光るクラゲ」はそんなに珍しくないのでは?と思う方もいるかもしれません。
だけど、今回ご紹介する「光るクラゲ」は、他のクラゲにはない性質により、なんとノーベル賞を受賞するきっかけとなったのです。
一体どのようなクラゲなのでしょうか?
下村脩(おさむ)博士は、2008年、オワンクラゲの「緑色に光るタンパク質(GFP)」でノーベル化学賞を受賞しました。
GFPの正式名称は、緑色蛍光タンパク質。オワンクラゲが持つ蛍光性のあるタンパク質を指します。
実はGFPは下村博士によって1960年代にはすでに発見されていました。それから40年以上の時を経て、ノーベル化学賞を受賞。気が遠くなるほど長い道のりを乗り越えました。
残念ながら、下村博士は2018年10月19日、90歳で逝去されました。ですが、下村博士により発見された「GFP」は、その後の医学や生命科学の世界で大活躍。
一般的なクラゲは、光が当たると、反射によりキラキラと発光します。クラゲ自ら光を出しているわけではありません。
水族館では、様々な色のライトを当てることで、クラゲの光り方を演出します。クラゲの傘のふちどり部分が七色にきらめいたり、星がまたたく夜空のような傘に見えたりと、クラゲの魅力が倍増するもしないも「光の当て方」次第。
それでは、ノーベル化学賞に至ったオワンクラゲの光り方はどのようになっているのでしょう。
それは上の写真をご覧ください。オワンクラゲの光は紫外線に反応するため、ブラックライトを当てます。すると、このようにふちどり部分が緑色に発光するのです。これが、「緑色に光るタンパク質(GFP)」です。
オワンクラゲの体内でつくられるこのGFPが、光らせることにより、細胞の中で活動しているタンパク質の動きを観察しやすくしてくれる。これこそが、オワンクラゲの快挙です。
見えにくかったものを、見やすくしてくれた。この発見は、研究スピードを加速させることに直結します。今まで困難だった問題を解決する手段として、GFPの登場はどれほど研究者に喜ばれたことでしょう。
いわば、下村博士とオワンクラゲの二人三脚と呼べそうです。もちろん、そこに至るまで多くの方たちの協力があってこそですが。
いずれにしても、ふだんは透明で目立たないオワンクラゲが、世界に羽ばたいた瞬間でした。
世界に一気に知られることとなった実力派クラゲ、オワンクラゲの今後の研究の成果も、楽しみに見守っていきたいと思います。
text/natsumi
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正面から見ると笑っているように見えることからスマイリーブレニーとも呼ばれているイシガキカエルウオ。カエルウオの仲間では小型で大きくならない種類ですが、コケもよく食べます。
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